会長挨拶

加藤智栄 会長挨拶


加藤智栄 会長

 令和8年6月11日の第200回山口県医師会定例代議員会で、会長に選任・選定されました。会長として、3期目となる新執行部では、再任された経験豊かな副会長・常任理事・理事・監事の18名に加え、新たに郡市医師会で活躍されてこられた、素晴らしい理事1名・監事1名を迎えました。各自が柔軟な発想で、心を一つにして、さまざまな問題に対応するとともに、山口県の医療が良くなっていくように新たなことを生み出していける組織にしたいと考えています。

 長年の医療費抑制政策により、医療機関の経営危機が顕在化しました。この問題に対し、日本医師会(日医)をはじめ医療界を挙げて、幅広い活動(骨太の方針に、賃金・物価上昇に対応できる診療報酬増等が書き込まれ、さらに7月の参議院選挙で医師会推薦の釜萢先生が医療・福祉関係でトップ当選されたことや、11月の国民医療を守るための総決起大会で令和7年度の支援と診療報酬の大幅アップの決議など)を展開した成果として、ようやく令和7年度の医療への財政支援や令和8年度の診療報酬の本体改定率プラス3.09%となりました。30年ぶりの3%越えは大いに評価できますが、ベースアップ評価料など賃金物価対策が主で、薬価等は0.87%の切り下げであり、逆ザヤの発生や薬剤の供給不足の問題は解決していません。これからも、大きな問題は日医と協調しながら、山口県民の命と健康を守る体制を維持していくよう努めます。
 長期的視野に立って令和4年に策定した事業構想のうち、医学部卒業後5年間の会費免除、会員手続きの簡素化、救急医療に対するインセンティブ付与制度の創設、若手医師の研究支援制度の創設は実現できましたが、電子カルテ導入・維持の負担軽減、組織強化は道半ばです。
 国は、200床未満の医療機関を対象に、標準型電子カルテをクラウド型で2030年までに安い価格で導入する方針です。しかし、200床以上の医療機関が外れている事と200床以上の病院では電子カルテの導入・維持費用が高額で赤字経営を助長していることから、昨年12月に県内の200床以上の病院の電子カルテの負担がどの程度かをアンケート調査を行い、さらに中国四国各県の医師会にも同様の調査をしてもらい、集計しました。この集計結果を日医の方に持っていき、問題解決に向けて動いてもらおうと考えています。医療DXの推進で医療機関の負担が増えるのではなく、国が十分な補助をすべきであると考えています。
 組織強化に関しては、山口大学医学部4年生への講義や研修医歓迎会・交流会での勧誘が進み、研修医の7割以上が日医までの入会となっています。また、研修医よりも専攻医の方が長く山口県に残って医師を続けますので、昨年度から専攻医歓迎会を開催しています。会員の先生方や臨床研修病院のご尽力の結果、日医まで入会している会員数は増えてきています。県医まで入会している人が全員日医まで入会していただくと日医の代議員をもう一人増やせますので、会員の先生方のご協力をお願いいたします。しかし、閉院される先生方も増えていますので、医業承継事業等により、県内に中堅医師を呼び込む対策が必要と考えています。
 年4回の定例記者会見も定着してきましたので、必要な医療情報をこれからも発信していきます。第1回は「山口県の救急医療と医師の働き方改革」、その後「HPVのワクチンキャッチアップ接種」、「JMATやまぐち」、「COPD」、「医療機関の経営危機」、「今年流行した子どもの感染症」、「子どもの近視」を取り上げてきましたが、これからも山口県の医療が抱える問題と県民の健康を増進するための情報発信を継続して参ります。
 COPDでの死亡率が全国2番目に高いことから、COPD対策や禁煙活動を推進するとともに、低調な山口県のがん検診率を改善するために作ったがん検診受診率向上委員会の活動が成果に結びつくよう努めます。
 山口県内での就業率の高い、看護師・准看護師を育成している医師会立看護学校の運営は困難を極めていますが、知恵を出し合い、存続支援を強化いたします。

 県医師会役員一同は、事務局と力を合わせ、郡市医師会・日本医師会と連携して山口県の医療が少しずつ良くなるように、そして山口県が全国で最も医師の働き甲斐のある県になるよう努めていきます。
 会員の先生方におかれましては叱咤激励、ご支援・ご協力をお願い申し上げます。

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