会長挨拶
加藤智栄 会長挨拶
加藤智栄 会長
令和6年6月13日の第196回山口県医師会定例代議員会で、会長に選任・選定されました。会長として、2期目となる新執行部では、再任された有能な副会長・理事・監事の16名に加え、新たに郡市医師会で活躍されて来られた、素晴らしい理事3名・監事1名を迎えました。各自が柔軟な発想で、心を一つにして、さまざまな問題に対応するとともに、山口県の医療が良くなっていくように新たなことを生み出していける組織にしたいと考えています。
1期目のまとめ
山口県の医療の最大の問題である若手医師不足を何とかすることに多くの力を注ぎ込みました。多くの若手医師が中心になって携わっている時間外救急患者が入院となった場合に評価される制度を創出いたしました。この制度の説明に関連して、今年の4月25日に「時間外救急医療と医師の働き方改革」と題した記者会見を行いました。その中で、統計数字を精査してみると、20歳代の医師数は2006年224名、2022年324名と100名増えています。今の若手医師不足は1985年から2007年までの22年間にわたる医学部定員削減と、2004年の新医師臨床研修制度の開始、2000年ごろから顕著となった地方から都会への若手医師の移動の影響が最も強く現れている、中堅医師不足と言えます。今は、指導医の皆さんにしっかりと若手医師を育てていただければ、近い将来に若手医師が少し増えてきたと実感できる様になると思っています。
医業承継に関して、譲渡希望医療機関数は15医療機関、譲受希望者又は法人は5名となり、県のサポートも得られているので、マッチングが成就することを期待しています。
若手医師の研究助成事業は令和5年度からスタートしました。令和6年6月9日に周南市文化会館で開催された第106回山口県医学会総会で研究成果の発表がなされました。
義務年限を終えると4割が県外に流出してしまう自治医大卒業生のキャリア形成を助成する事業も開始しましたので、県内定着率が上がってくることを期待しています。
COPDでの死亡率が全国で2番目に高いことから、COPD対策推進ワーキンググループを立ち上げ、死亡率低下の対策を立てていくことにしています。
診療報酬改定では、物価高騰や賃上げ基調から医療機関が取り残されない様に大幅アップ改定を山口県の方から国に意見書を出していただきましたが、わずかの成果でしかなかったのは残念でした。
2期目の事業等について
令和6年度事業計画の総論では、下記の如くとなっています。
①専攻医・臨床研修医の県内定着、働き方改革・組織強化の推進
②医業継承の事業化
③かかりつけ医機能の推進
④山口大学等との連携強化・研究支援
⑤少子化対策への医療的貢献
⑥健康教育・予防保健事業の充実
⑦JMATやまぐちの充実
⑧医師会立看護学校への支援
⑨郡市医師会・山口県医師会・日本医師会の連携
県医師会は、事務局と力を合わせ、山口県の医療が少しずつ良くなるように、山口県が全国で最も医師の働き甲斐のある県になるよう努めていきます。
会員の先生方におかれましては叱咤激励、ご支援・ご協力をお願い申し上げます。