第25回 健康講座 in 下松 開催概要 日時: 令和7年8月31日 会場: スターピアくだまつ(下松文化会館) 2階 展示ホール 住所: 下松市中央町21-1 定員: 200名 駐車場: 1,700台 一般のみなさま向けの講座です。 プログラム 第一部:講演 講演@:「緑内障と最新治療を学ぶ!市民のための緑内障セミナー in 下松」 講師: 吉本 拓矢 先生 (山口大学大学院医学系研究科 眼科学) 講演A:「もっと学ぼう!『加齢黄斑変性』」 講師: 湧田 真紀子 先生 (山口大学大学院医学系研究科 眼科学 / 山口大学医学部附属病院 臨床研究センター) 第二部:目の健康相談・福祉機器展示 場所: 展示ホール前 内容: 目の健康相談会 見えづらい方のための福祉機器展示 遮光眼鏡やルーペ、拡大読書器などを体験いただけます。 主催: 山口県眼科医会 後援: 柳井市、下松医師会、徳山医師会、光市医師会、柳井医師会、熊毛郡医師会、徳山薬剤師会、NHK山口放送局、tysテレビ山口、yab山口朝日放送、KRY山口放送、山口新聞社、新周南新聞社、Kビジョン、シティケーブル周南 ごあいさつ  わたしたちは、五感によって外界から多くの情報を取り入れています。その大部分が視覚からであり、人生100年時代となった現在、安全で文化的な生活をおくるには、目の健康寿命すなわち良好な視機能の維持が必要です。  眼科医会では目の健康寿命を伸ばすため「アイフレイル対策活動」を行っています。「アイフレイル」とは加齢による目の機能低下で40歳を過ぎると増加してきます。  加齢白内障のように眼内レンズによって視力を回復できるようになったものもあります。医学の進歩により、検査精度や薬、手術法が進歩したとはいえ回復困難な病気もあります。  現在、成人の中涼失明の原因は、緑内障、網膜色素変性症、糖尿病網膜症、次いで黄斑変性(加齢黄斑変性)となっています。その 中で、緑内障は中高年に多く早期発見と適切な治療により進行を抑制できるにもかかわらす、自覚症状に乏しいため発見が遅れがちです。加齢黄斑変性は高齢化に伴い増加しています。かつては有効な治療に乏しかったこの病気も、最近は治療が進歩し、進行の抑制改善が期待できるようになりました。  健康長寿を全うするためには「アイフレイル」を知り、視機能を維持することが大切です。今年はテーマとして緑内障と加齢黄斑変性を取り上げました。講師の先生方には、専門的立場からみなさんに分かりやすく解説していただきます。  山口県眼科医会は、継続事業として毎年県内各地で「目の健康講座」を開催し眼の健康を守るための啓発を行っています。このたびの講座がみなさまのお役に立てることを願っています。 山口県眼科医会 会長 大西 徹 一部 講演抄録 講演1 緑内障と最新治療を学ぶ!市民のための緑内障セミナーin 下松 山口大学大学院医学系研究科眼科学 吉本 拓矢先生 「緑内障」は、視野障害を起こす目の病気で、40歳以上の20人に1人が罹患しています。緑内障によって失われた視野は治療によって回復できないため、「早期発見早期治療」が 重要です。眼圧を下げることが緑内障による視野障害の進行を抑制する唯一の治療法で、点眼薬による薬物治療が中心的役割を担っています。現在、緑内障点眼薬は様々な種類があり、治療効果だけでなく利便性や副作用を考慮して選択します。薬物治療で眼圧コントロール不良となった場合は手術治療の適応となり、緑内障の進行具合や年齢、緑内障病型などを考慮して手術方法を選択します。近年、様々な手術方法が登場し、薬物治療と同様に手術治療も選択の幅が広がって緑内障治療のオーダーメイド化が進んでいます。今回の講演では、緑内障の基本的な知識の解説を行い、薬物治療から手術治療を含めた最新の緑内障治療について解説します。本講演が皆様の緑内障治療の一助になれば幸いです。 講演2 もっと学ぼう!『加齢黄斑変性』 山口大学大学院医学系研究科眼科学、山口大学医学部附屈病院臨床研究センター 湧田 真紀子先生 私たちの目の奥には網膜という光を感じる膜があり、黄斑とはこの網膜の中心で視力を担っている大切な場所です。加齢黄斑変性とはその名の通り、加齢によってこの黄斑が傷んでしまいものが歪んで見える、中心に影がかかる、視力が下がるなどの症状が出る病気で、日本やアメリカで失明原因の上位となっています。しかし、かつては不治の病だったこの病気も、この十数年間の医学医療の進歩によって少しずつ病態が解明され、新しい治療法も開発されてきました。 今回はこの加齢黄斑変性という疾患について、よく間違われやすい他の黄斑疾患の話も交えて分かりやすく説明しながら、現在一般的に行われている予防法、検査法、治療法の内容やその変遷と進歩、そして最新の治療についてご紹介いたします。 加齢黄斑変性では、早期の発見と適切な時期の治療がとても重要です。この講演を通じて多くの方にこの病気について理解を深めて頂ければと思います。 二部 目の健康相談 質問用紙を当日お渡しいたします。ご質問のある方は質問用紙にご記入いただき、受付にご提出ください。時間の関係上、全てのご質問にお答えできない場合があります。あらかじめご了承をお願いいたします。