【読売新聞・毎日新聞の『不正請求』記事に対する我々の見解】

 過日、読売新聞、毎日新聞紙上で、大半の医師は不正請求をしているかの記事が掲載されました。

 平成13年7月13日読売新聞朝刊の記事によると、『レセプトは医療機関が健康保険組合などに診療報酬を請求するための明細書。大半は手書きで作成されており、かなりの水増しがあると見られている』とされています。

 また、平成13年7月16日毎日新聞朝刊記事では、『複数の医療関係者によると、医療機関が実際には安い薬剤を処方したのに、205円を超えない範囲で高い薬剤の保険点数をレセプトに記入し、差額を不正に得るケースが少なくない。 中には、患者に薬剤を全く出していないのに架空に請求する医師もいるという』との事です。

 もしこの記事のような不正が事実なら厳重な処分が行われることに異論はありません。保険医療の規則に違反しているし、犯罪行為だからです。

 しかし、この記事では、根拠となる資料も明示されていません。両紙の記事はごく一部の不正を誇張し、あたかも医師の間で不正請求が横行しているかの誤解を読者に与えるものであり、事実に反するばかりか、医療不信を煽るものとしてその報道姿勢を疑わざるを得ません。事実関係を調べもせず「205円ルールを使った申請を全て「不正」など言うことは、到底黙っておくべきではないと思います。

 この記事とは逆に、大半の医師はまじめに医療を行っています。また出来るだけ患者さんの負担を少なくするため、また医療費抑制に協力するため、薬価の安い処方を考えている医師にとって、薬剤名が出ないレセプトは「悪=不正」とされるような書き方には反論せざるを得ません。

 私たちは読売・毎日両紙に対して無責任な報道姿勢に強く抗議をすると共に、記事の撤回と正確な報道を求めるものです。

 私たち玖珂郡医師会は、今後も患者−医師間の信頼を築くための努力を地道に積み重ねて行く所存です。

                平成13年7月20日 玖珂郡医師会


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報道姿勢に抗議するため背景を黒にしています。