看護部門  転倒・転落の危険防止対策


患者の観察
 危険度 I
  1.ADLの評価、自立度を把握する。
  2.排泄の頻度、時間などのパターンのアセスメント及び男女の
   フィジカルアセスメントを加味した状態把握をする。
  3.鎮痛剤、睡眠剤などの服用後はその影響をアセスメントする。

 危険度II
  危険度 I に加えて
  1.ADLに変化がないか観察する。
  2.全身状態の把握から起こりうる認識力の変化などを予測する。

 危険度III
  危険度IIに加えて
  1.医師を含めたチーム全体で連携して、観察できるよう協力を得る。

環境整備
 危険度 I
  1.シフトが替わる毎に担当者は以下のチェックをする。
   @ベッドの高さ、ストッパー固定の確認
   Aベッド柵及びその効果の確認
   Bベッド周囲の障害物の確認整理
   Cナースコール、ポータブルトイレの適切な位置の確認。
  2.患者の身の周り、床頭台に必要なものの確認と整理。

 危険度II
  危険度 I に加えて
  1.患者の安全を確認できるよう照明の工夫。
  2.注意マークなどで、他のメンバーの関心を引く工夫をする。
  3.オーバーテーブル、点滴スタンドは、可能性のないものと交換する。
  4.離床センサーマットなどの使用を検討する。

 危険度III
  危険度IIに加えて
  1.ナースステーションに近い観察の目が行き届く部屋への転室。
  2.ベッド周囲にマットや枕などで打撲のショックをやわらげる工夫を行う。
  3.必要時は床敷きマットにする。
  4.ベッド柵を患者が外さないように頻回な観察を行う。

指導・援助

 危険度 I
  1.排泄パターンに基づいた誘導。
  2.適切な衣類、敷き物の選択の指導。
  3.ベッド、周囲の器具、装置、ナースコールなどの使用方法の説明。
  4.日中の離床を促し、昼夜のリズムを付ける。
  5.家族、チームメンバーと自己の危険を共有し、理解を得る。

 危険度II
  危険度 I に加えて
  1.ナースコールには素早く対応する。
  2.患者に理解できるよう相手のぺ一スにあわせた十分な説明を行う。
  3.患者歩行時の歩き方などの指導と見守り。
  4.正しいトランスファー技術で介助する。
  5.頻回な巡視を行う。

 危険度III
  危険度IIに加えて
  1.車椅子乗車時は、ずり落ちないように見守る。また、
   滑りにくいメッシュのマットを活用する。


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