日進月歩の医療において開業すると自分だけの殻に閉じこもりそれでいて、何か取り残されそうな不安があるものです。
卒後教育として、医学会や講演会も行われ参加しますが、大きな講演会や医学会ではただ聴くだけのことがおおく、やはり小規模の言いたいことの言える、聴きたいことの聴ける体験学習が必要と思います。
当地ではユニークな超音波検査の学習会が続けられておりご紹介します。
「やまびこ会」と「心エコー会」の二つでやまびこ会は腹部を中心に、心エコー会は勿論心臓です。
いずれも大学で超音波を研修し学会の認定医や指導医をとったものが指導者となり10人程度の主に若手の開業医で月1回の研修会を行っています。
この会の特徴は患者さんに実際に来ていただいて超音波検査を行いながら研修するもので、常に3-4人の患者さんに来ていただいています。午後7時過ぎより開業医の診察室で行うため、特に腹部の検査の患者さんは夕食抜きで来ていただきます。
この患者さんを主治医の病歴紹介、データ紹介後に検査を行うわけで主治医の熱意と患者さんとの信頼といわゆるインフォームドコンセントがとれていなければ実現しません。
この会の会員は自分の診断や検査に問題点があれば積極的にこの会に患者さんを連れてくるようになりまた。2つの会に入っているものもありますし、自分の分野だけの人もあります。会員の専門分野は種々です。
年会費は1万円で患者さんのタクシー代と会の後のビール、つまみ代です。
すべて会費でまかないます。
症例の検査後はビールを飲みながら検査症例の検討と、時間があれば雑談で11時過ぎになることも多いようです。心エコー会では心電図の読影検討も行います。
この雑談も情報交換や診診連携、病診連携に役立ちます。
年1回は会員でゴルフ旅行にも行きます。
この会がやまびこ会は150回を越え心エコー会も75回を越えました。
各地にこの様な会はあると思いますがご紹介します。
平成8年9月 玖珂中央病院 吉岡春紀
写真は平成8年9月17日 山びこ会例会