夏に多い皮膚病

宇部市医師会皮膚科医会


 夏は皮膚病の多い季節ですが、その中の幾つかについてお話ししましょう。

*** 日焼け *** 

 海や山で一度に大量の太陽光線を浴びると、急性の日焼けになります。これは一種のやけどですから、皮膚が赤く腫れてヒリヒリし、ひどい場合には水ぶくれができます。 軽い場合は冷湿布程度でよいのですが、重症の場合は塗り薬や飲み薬が必要となります。また、日焼けにより、しみ、そばかすがひどくなったり、日光アレルギーのある人は露出部に痒い発疹が出ることもあります。いずれも日焼け止めを上手に使うことで予防できますが、まず日の高い時間の外出を避ける、帽子、日傘、長袖の衣服、手袋の使用で、紫外線防御を心がけましょう。

*** とびひ ***

 とびひは、ブドウ球菌や連鎖球菌などの細菌が皮膚に感染しておこります。乳児の場合は、もともと細菌の多い場所である耳や鼻をかいた手で他の皮膚をかくと発症することが多く、小児では、虫さされやけが、あるいは湿疹をかいているうちに発症することが多いようです。一度とびひになると、自分や他人の皮膚にもうつっていくので、早めの治療が大切です。初期だと抗生物質の外用薬をつけるだけで治るのですが、進行すると抗生物質を飲まないと治らないので、注意しましょう。 

*** むしさされ ***

 蚊だけではなく、毛虫や犬猫のノミも発生し、人を刺します。かゆみや腫れがひどい場合は、皮膚科を受診した方が良いでしょう。かきこわすことで、とびひになることや、痒疹という難治の皮膚病に進行することがあります。

*** あせも ***

 あせもは予防が一番です。汗が出ることは体温調整のためにも重要です。出た汗をそのままにしておかないこと、吸湿性のよい肌着、それもランニングよりTシャツスタイルの方が、あせも予防に適しています。汗で濡れた衣服はまめに着替え、シャワーや行水でさっぱりするのもよいでしょう。 軽いあせもは、スキンケアや室温の調整で軽減していきます。しばしばかゆみをともなって湿疹化したり、時には一見あせものように見えてもカンジダ症(かびの病気)であったり、「あせものより」といわれるおできができることもあるので、治りにくい場合には、皮膚科の受診をお薦めします。古来睡眠は、健康と美容の妙薬として貴ばれてきました。睡眠は肉体的、精神的元気を回復させ、女性の肌に艶(つや)と潤いをもたらし、子供の成長を促す大事な行動と言えましょう。ところが最近「眠れないよう」と訴える方が増えているようにみうけられます。