更年期の症状

宇部市医師会産婦人科医会


 更年期、女性にとっては嫌な言葉ですが、一生のなかで必ず通過しなければならない時期です。早い人では30歳代の後半から、ふつうは40歳を過ぎてから顔のほてり、動悸 手足の冷え、不眠、めまい、頭痛、肩こり、腰痛などの症状がでるようになります。

 症状の程度や発症の時期は人によって異なりますが、これは女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が急に減少し、更年期の性腺刺激ホルモンHMGが増加するため、自立神経系にも影響が及ぶためといわれています。

 また手術によって両側の卵巣が失われた場合にも症状が起こってきます。これらの症状は女性ホルモン、自立神経調整剤などによってかなり劇的に軽減します。

 他の症状として、肌が乾燥してカサカサになったり、腔粘膜が乾燥萎縮し性生活に支障をきたすようになります。また血液中のLDLコレステロールが増加し、心臓、血管系の病気にかかります。

 なかでも骨からカルシウムが失われやすくなり、骨に多くの鬆(す)すなわち穴ができ 骨折しやすくなるのが最近話題になっている骨粗鬆症です。これは骨のレントゲン撮影で比較的容易に診断できます。さらに骨塩量などの測定で詳しく調べることができます。

 治療および予防法は女性ホルモンの内服、カルシウム、ビタミンDなどの摂取、適度の運動が有効です。こうしたことから更年期に近付いたり、症状が出現したら、まず産婦人科を受診し検査を受けるようにしましょう。骨折し寝たきりにならないように積極的に予防することが大切です。ただし予防的治療は、原則として保険がききません。