熱中症
宇部市医師会内科医会
真夏の直射日光下でのスポーツや高温・多湿の室内での重労働などのとき、発汗異常やショック様症状、意識障害などが出現し、体温調節機能が十分に動かなくなった状況が、「熱中症」です。真夏のスポーツという点からこの「熱中症」を説明しましょう。
*** 熱失神 ***
これはスポーツで起こる熱中症の中でも最も多く見られる状態です。体温は正常ですが顔面蒼白、冷汗、頻脈、血圧低下などのショック症状を呈します。末梢血管拡張による循環不全が原因です。
*** 熱けいれん ***
これは大量の発汗によって、水分と塩分が失われ、多量の水分を補給することにより血液の食塩濃度が低下、四肢や腹部の筋肉の有痛性けいれんが生じるもの。マラソンやトライアスロンなどに起こりやすい。
*** 熱疲労 ***
長時間の運動による多量の発汗による脱水のため、激しい口渇、脱力・倦怠感がある。塩分濃度の低下が加わると、頭痛、吐き気、下痢、意識傷害が起こります。
*** 熱射病(日射病) ***
高温多湿の環境下でのスポーツで、体内に欝熱が起こり、著しい体温の上昇、意識の喪失などが起こる危険な状態で、熱失神、熱疲労から容易に移行するので注意が必要です。
応急処置
予防法