不眠症
水木神経内科医院
水木 章夫
・睡眠に関する生活指導
1:昼間の悩みを寝床に持っていかなようにする。寝床では、音・光はなるべくシャットダウンすること。アラームをセットして夜中には時計を見ないようにする。毎朝決まった時間に起きるようにする。
2:眠るための飲酒は、寝付きが良くても夜中に目が覚めやすくなるのでやめること。就床前4時間のカフェイン(コーヒー、お茶など)の摂取はやめること。1時間前の喫煙も避けることが必要です。また寝る直前に入浴、熱いものを飲むなど体温の上がるようなことはしない。
・行動療法的アプローチ
まず睡眠と寝床を結び付ける必要があり、そのため寝床では読書やテレビなどは観ないようにし夜中に目が覚めたら別室にゆくのが良い。
また、寝床以外の場所(ソファー等)では睡眠しないことも大切です。
睡眠時間を短めにすることも大切で、特に床に入る時間を遅くし、決まった時間に起床することが望ましいでしょう。
・睡眠薬の使い方
以上のことを踏まえた上で必要なら睡眠薬を服用します。
最近の睡眠薬には、ベンゾジアゼピン受容体作動薬(普通の睡眠薬や安定剤はほとんどこの種類です)、メラトニン受容体作動薬(ロゼレム等)、オレキシン受容体拮抗薬(ベルソムラ等)があります。
次に服薬時の注意点をお話しします。睡眠薬は就床の直前に服用し、服用後はすぐに就床することが大事です。服用後に起きているとふらつきや、もうろう状態になり危険です。またアルコールと併用してはいけません。寝付けないからと自分の判断で増量してもいけません。いろいろな睡眠薬や安定剤を併用しては依存症になりやすく注意が必要です。
・最後に
不眠で悩む方は多いですが、やたらに睡眠薬を処方してもらう前にきちんと指導できる医療機関に相談してください。「眠れない」と訴えるだけで、すぐに睡眠薬を処方する医療機関もあるので注意が必要です。