給与規則(サンプル)


(目的)

第1条 この規則は、就業規則第24条の規定により職員の給与について定めたものである。

(給与の種類)

第2条 給与の種類は次のとおりとする。

  1. 基準内賃金
    • 基本給
      月給   診療関係及び事務系の常勤職員
      日給   上記以外の勤務者
    • 職種手当
    • 役付手当
  2. 基準外賃金
    • 時間外手当
    • 休日労働手当
    • 深夜手当
    • 当直(宿・日直)手当
    • 通勤手当
    • 家族手当
    • 賞与・その他臨時手当

2 初任給、昇給その他に対する給与額は、院長がこれを決定する。

〔説明〕  「給与規程」
 時間外又は割増賃金等の算定の基礎となる賃金は、基本給(いわゆる本棒)だけでなく「通常の労働」の質と量に対応して支払われる賃金総額で考えなければならないことになっていますので、それらを「基準内賃金」としてまとめてみました。その前提で基準内、基準外を設定されると便利です。

(基本給)

第3条 基本給は、職種及び職務の責任度に、学歴、年齢、資格、経験、技能、勤務成績を考慮して各人ごとに定める。

(職種手当)

第4条 職務手当の種類を次のとおりとする。

医師  月額 100,000円
看護婦 20,000円
准看護婦 10,000円

(役付手当)

第5条 役付手当の種類及び額を次のとおりとする。

事務長 月額 20,000円
婦長 20,000円

(宿日直手当)

第6条 宿・日直手当の額を次のとおりとする。

宿直 医師 1回 10,000円
その他 3,000円
日直 医師 15,000円
その他 4,000円

(通勤手当)

第7条 通勤手当は、通勤のため交通機関を利用する者に対し、月額15,000円を限度としてその額を支給する。

(家族手当)

第8条 家族手当は、職員の収入によって生計を維持する扶養家族を有する者に対し、次のとおり支給する。

1 配偶者 月額 10,000円
2 満18歳未満の第1子、第2子 5,000円
3 医師 2,000円

(時間外手当、休日労働手当)

第9条 時間外手当、休日労働手当は、就業規則第17条により時間外又は休日労働させた場合に、その勤務1時間について、次により算出した額を支給する。

〔月給者の場合〕

(基準内賃金/1か月所定労働時間数)×1.25(※休日労働手当の場合は1.35)

〔日給者の場合〕

[(日給/1日所定労働時間数)+(基準内賃金/1か月所定労働時間数)]×1.25(※休日労働手当の場合は1.35)

〔説明〕 1か月所定労働時間数=年間所定労働時間数/12

(深夜手当)

第10条 深夜手当は、年後10時から午前5時までの間に勤務した場合に、その勤務1時間につき、次により算出した額を支給する。ただし、時間外労働が深夜に及んだ場合は、5割増とする。

〔月給者の場合〕

(基準内賃金/1か月所定労働時間数)× 0.25(※ただし、時間外労働が深夜に及んだ場合×1.5)

〔日給者の場合〕

[(日給/1日所定労働時間数)+(基準内賃金(月額)/1か月所定労働時間数)]×0.25(※ただし、時間外労働が深夜に及んだ場合×1.5)

(給与締切日及び支払日)

第11条 給与は、前月26日から当月25日までとして締切計算し、毎月27日(支払日が休日の場合はその前日)に支払う。

〔説明〕 これは一例です。

第12条 月給者を月の途中で雇い入れた場合は、その月の給与は日割計算によって前条所定日にこれを支払う。

(支払方法)

第13条 給与は、通貨で直接職員にその全額を支払う。

2 前項の規定にかかわらず、次に掲げるものは支払の時控除する。

  1. 法令に定められたもの
  2. 職員代表と協定したもの
    • 食費
    • 貯蓄金
    • 旅行積立金
    • その他

(日割り額及び時間割額の算出方法)

第14条 給与の支給にあたり、時間割計算の必要が生じたときは、次の方法による。

(1)月給者の場合は

基準内賃金/(年間所定労働時間/12)=時間割額

(2)日給者については

1日分基準内賃金/1日分の所定勤務時間=時間割額

2 日割計算の必要が生じたときは

前項時間割額×1日の所定勤務時間

〔説明〕 最近では時間給の計算は月単位でなく、年間労働時間で算出することが正しいとされています。

第15条 当院の都合により臨時に休業した場合は、労働基準法で定められた平均賃金の60/100を支給する。

(昇給)

第16条 昇給は各人の能力、勤務成績その他を勘案して、毎年4月1日に行うものとする。

2 必要と認めたときは、臨時昇給を行うことがある。

〔説明〕 定期昇給時期は、給料起算日をもってする機関もあります。すなわち毎年3月26日としてもよいわけですが、この場合新卒者については3月31日までは身分は学生又は生徒ですから、日割計算する必要があります。

(昇給しない場合)

第17条 次の各号に該当する者に対しては、昇給を行わないことを原則とする。

  1. 休職中の者
  2. 勤務成績又は勤務能力の極めて悪い者
  3. 年間欠勤率20%以上の者
  4. 戒告以上の処分を受けた者

(賞与の支給)

第18条 賞与は毎年7月及び12月の2回支給する。ただし、特別の事情のあるときは支給しないときがある。

2 前項の金額は12月から5月まで、及び6月から11月までの6か月間の勤務実績に勤務年数を考慮して各人についてこれを決定する。

(退職金の支払)

第19条 勤続年数が2年以上の職員が、円満に退職又は在籍中に死亡した場合は、退職金を支給する。

2 退職金の額は次の方式により算出する。

退職金=基本給(退職時)×勤続年数×支給率

3 支給率は次のとおりとする。

  1. 在職中に業務外の傷病により死亡したとき
                                               1.2
  2. 業務上の傷病のため勤務に耐えられず、やむなく退職若しくは死亡したとき、及び当院の都合により解雇したとき
                                               1.5
  3. 業務外の傷病のため勤務の継続が困難となり、やむなく退職したとき
                                               1.0
  4. 自己の都合により退職したとき。
2年未満…0 8年以上…0.6 15年以上…0.7
2年以上…0.4 9年〃…〃 16年〃…0.8
3年〃…0.5 10年〃…0.7 17年〃…〃
4年〃…〃 11年〃…〃 18年〃…〃
5年〃…0.6 12年〃…〃 19年〃…〃
6年〃…〃 13年〃…〃 20年〃…1.0
7年〃…〃 14年〃…〃

4 勤続年数の算出は、就職の日(試用期間を含む。)から退職の日までとし、その年数の1年未満の部分については1カ月について1/12を算定し、1か月未満については半月以上は1/12とし、半月未満は切り捨てるものとする。

 なお、准看護学校に通学した期間は、2年をもって1年に該当するものとする。(又は、准看護学校生徒の身分であった期間は勤続年数に含まない。)
* 医療機関によっては、第4項を次のようにすることもできる。

5 退職金は、退職の日から1か月以内に支払うものとする。

〔説明〕 退職金の支払義務はありません。支払う定めのある場合は、退職事由別による率を定めておいた方がいざという場合に便利です。
 また、青色申告の事業所ではこれに

△ 年度末に全従業員が退職すると仮定して算出した退職金総額……(a)
△ 又は「1年分の総給料+福利厚生費」60/100  …………………(b)

(a)又は(b)を退職金引当金として課税対象から控除される利点があります。

 3は1例を示してみました。
医療期間の中には3年未満は支払わず、記念品代という名目で済ませる例も多いようです。

 4のはじめの項は1か月でも余計に勤務すれば退職金の額が増えるので、少しでも長くいた者が有利なように、また後の項は年の中途でやめたい者に対して翌年3月までいた方がその額が増すという印象を与えます。それぞれ一長一短があると思います。

付    則

この規定は、平成   年   月   日から実施する。

〔説明〕(就業規則の届出)
 就業規則ができましたら「就業規則届」と職員の「意見書」を付して、所轄労働基準監督署長に提出します。
 この場合の意見書は、労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者の意見を書けばよいことになっております。


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