かかりつけ医通信 その3

初心者のための心肺蘇生法講習会 

「ファミリーアンドフレンズCPR」へのお誘い

家族や気のおけない友人と一緒に過ごす楽しい時間、かけがえのないひとときですね。でも、そんなときに突然、家族や友人が倒れたらどうしますか?

日本では、心臓の病気が原因で突然倒れる人は、1年間に少なくとも56万人と言われています。倒れた場所を調べてみると、自宅が最も多く、職場などが続きます。家族や友人のそばで倒れることが多いのです。突然倒れた人にその場ですぐに心肺蘇生をしなかった場合、病院で高度の医療を行っても死亡することが多く、命は助かっても植物状態のような重症の障害が残ります。病院に着いてからの治療では手遅れというのが実情です。

もし倒れた直後に、そばにいた人がほんの少し勇気を出して心肺蘇生法を行えば、病院に着いた後に行う高度の医療よりも、何倍も効果があります。

私たちは、この、ほんの少しの勇気を出していただくためのお手伝いをしたいと思ってます。そのための講習会が「ファミリーアンドフレンズCPR」です。この講習会はアメリカ心臓協会が作成したコースで、正しい知識や手技を、手軽に楽しく学ぶことができるように工夫されています。

光市医師会と光市立光総合病院は、今年4月から毎月、第3土曜日午前10時に、光市立光総合病院2階講義室で「ファミリーアンドフレンズCPR」を定期的に開いています。

心肺蘇生法(CPR)というと、難しいこと、大変なことと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。簡単です。小学生以上で心肺蘇生法を学びたい方ならば、どなたでもご参加いただけます。

コースはDVDを上映し、これに合わせて練習用マネキンで練習するという、実技が中心です。これで自然と技術と知識が身についていきます。

実際に受講した人のアンケート内容を紹介します。

「マンツーマンみたいな感じで実技が多く、とても良かったと思います。」

「いろいろと質問させてもらったが、丁寧に教えてもらえた。機会があったらもう一度受講したい。」

「実際にならってみないと絶対に実践は難しいと実感。」

小学校3年生の女の子も「思ったより簡単だった。」と言ってくれました。

コースの内容は最新の心肺蘇生法ガイドライン2010年版にもとづいています。コースでの学習をお手伝いするのは、アメリカ心臓協会の認定インストラクターです。やさしく、丁寧に、わかりやすく をモットーに楽しいコースを目指しています。

皆さんもぜひ受講してみませんか? 申し込み方法ですが、平日の830分から17時までの間に、光市立光総合病院に電話(0833-72-1000)し、地域連携室 清水に連絡してください。

光市医師会前学術担当理事

光市立光総合病院・麻酔科 竹中智昭