回市民公開講座「糖尿病のよもやま話」

             講師 光市立光総合病院血液内分泌内科部長 松田万幸先生

             日時 平成241117日(土)14時〜15

             場所 あいパーク・いきいきホール

 第3回目となる光市医師会主催の市民公開講座が、「糖尿病のよもやま話」として、松田万幸先生を講師にお招きし開催された。当日は、あいにくの雨模様にも関わらず、約40名の出席があり、熱心に講座を聴講された。

 糖尿病は、平安時代、藤原道長の伝記にも「飲水病」として、古来から伝えられている。沖縄は長寿の県として有名であったが、戦後米国のファストフードがまず初めに流れ込んでから、肥満度が上がって、男女とも平均寿命が低下した。沖縄クライシスと言われていると、歴史的事実が述べられた。

糖尿病は、メタボリック症候群の最終段階として現れるが、空腹時高血糖が毛細血管を中心とした網膜症、腎症、四肢の壊死などを引き起こすのに対して、食後高血糖では、

心筋梗塞、脳梗塞など大血管病変の原因となる。両者に注意が必要である。

 糖尿病の予防としては、1.肥満しない、2.筋肉量を増やす、3.脂肪をとりすぎないこと、4.ストレスをためないことなどが重要である。

糖尿病の治療としては1.食事療法、2.運動療法、3.薬物治療、4.インスリン治療などがある。食事療法は、正しい療法は確立されていないが、バランスよく栄養を確保しなければならず、極端な糖質ダイエットなど一時的流行にとらわれてはならない。なぜなら、一生続けていかねばならないからである。運動療法は軽い運動を継続的に行う方法と、比較的強い運動を間欠的に行う方法どちらでもよいことが示された。薬物治療、インスリン治療については、新しく画期的な薬剤も開発されていることが示された。糖尿病になったからといって、あきらめず、粘り強く治療を継続していくことが大切である。

糖尿病の基礎知識と、予防法、治療法について、とても分かり易く豊富なスライドを使っての講座であった。講師の松田先生に深謝いたします。

                         文責  平岡 博