学術講演の記録
日時 平成14年6月25日(火)19:00〜20:45 場所 光市商工会議所2階 大会議室 光市島田4丁目14-15号 0833-72-2234 表題 「尿路感染症を含めた尿路感染症」 講師 徳山中央病院泌尿器科部長 村田重昭 先生 |
アトピー性皮膚炎の治療を聞いて 記 山本憲男 6月の月例会では徳山中央病院の副院長兼泌尿器科部長の林田重昭先生をお招きして『膀胱炎を含めた尿路感染症』と題してお話を伺った. 先生は徳山中央病院泌尿器科における長年にわたる尿中分離菌の変遷を入院患者と外来患者に分けて示されました. 外来患者では大腸菌が過半数を占めているのに対して,入院ではEnterococus,Pseudomonas, MRSAが多かった.96年以降の入院患者で MRSAの検出率が徐々に多くなってきおり,MRSA菌の検出された時に使用されていた抗菌剤としてはニュ−キノ ロン系の抗菌剤が最も多かったと報告した。しかしながら幸いな事に,まだバンコマイシン耐性菌は見つかっていないとの事であった. 急性単純性膀胱炎に対して,山口県東部の泌尿器科の多施設共同研究として各種抗菌剤を3日間だけ投与して,4日目,と10日目に症状の改善率,検尿所見の正常化率,有効率等を検討した結果、有効率の最も高かったのはクラビットで95%,次いでフロモックスの89%,バクシダ−ルの83%であったとしている. 次いで徳山中央病院泌尿器科における抗生剤の具体的な使用方法について示され, 1)抗生剤点滴治療の適応としては 急性腎盂腎炎,急性前立腺炎,急性副睾丸炎等に対して セファメジン,フルマリン,スルペラゾン,チエナム等の使用 2)急性膀胱炎に対しては クラビット3T 又はフロモックス3T の内服 3)慢性膀胱炎に対しては バクシダ−ル1T 1xvds 又は猪苓湯7.5g 4)急性および慢性前立腺炎に対しては トスキサシン又はバクシダール3T + セルニルトン6T 以上のように日常の診療に役立つ具体的処方例を示しながら、また一方では尿路感染症に対する基礎的な抗菌剤の使用方法をお話されたので質問も多く膀胱洗浄の功罪、カテーテル留置時の尿の着色と感染菌の問題など多くの興味ある質問がなされた。 |