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高校生の学校健診におけるコンタクトレンズの使用状況

はじめに

コンタクトレンズの普及に伴い、若年者のコンタクトレンズ使用者が増えてきましたが、若年者にもコンタクトレンズの障害例を数多く認めるようになりました。そこで、山口県内の8つの高等学校の生徒4,616名 (男子2,501名,女子2,115名)を対象に、眼鏡およびコンタクトレンズの使用状況のアンケート調査を行いました。そのアンケート調査の結果を以下に示します。


結果

男女別構成 のグラフ男女別構成

調査した8校は、男子が2,501名、女子が2,115名でした。


メガネ、コンタクトレンズを使用していますか? のグラフメガネ、コンタクトレンズを使用していますか?

メガネのみが26.0%、コンタクトレンズのみが7.6%、メガネとコンタクトレンズを使用しているが19.8%で、コンタクトレンズを使用している生徒は1,262名(27.4%)でした。

メガネとコンタクトレンズを使い分けていますか?のグラフメガネとコンタクトレンズを使い分けていますか?

メガネとコンタクトレンズを使い分けて使用しているが67.0%で、コンタクトレンズのみを使用しているが29.7%でした。

どのように使い分けていますか?のグラフどのように使い分けていますか?

使い分けている生徒は、帰宅後(夕食後、入浴後)にコンタクトレンズを外してメガネにしているが61.8%、休日はメガネにしているが16.6%、調子の悪いときだけメガネにしているが20.0%でした。

使用しているコンタクトレンズの種類は? のグラフ使用しているコンタクトレンズの種類は?

酸素を透過しないハードコンタクトレンズが2.7%、酸素透過性ハードコンタクトレンズが26.3% 、従来型ソフトコンタクトレンズが33.9%、頻回交換ソフトコンタクトレンズが27.9%、ディスポーザブル(毎日使い捨て、1週間使い捨て)ソフトコンタクトレンズが3.4%、カラーソフトコンタクトレンズが3.7%でした。

どこでコンタクトレンズを購入しましたか? のグラフどこでコンタクトレンズを購入しましたか?

眼科医による眼科診療所が24.3%、眼科医か他科の医師か不明な眼科診療所が26.4%、リテイラーが30.6%、眼鏡店が6.1%でした。

これまでコンタクトの調子はどうでしたか? のグラフこれまでコンタクトの調子はどうでしたか?

コンタクトレンズの調子がこれまで良かったという生徒は59.1%、悪かったという生徒が39.2%でした。

悪かった内容は? のグラフ悪かった内容は?

調子が悪かったという内容は、見えない2.7%、疲れる12.2%、痛い13.0%、かゆい10.7%、異物感9.7%、充血8.3%、乾く16.8%、くもる13.9%、ずれる11.2%、その他1.7%でした。

コンタクトレンズのケアは取扱い説明書の通りにしていますか? のグラフコンタクトレンズのケアは取扱い説明書の通りにしていますか?

コンタクトレンズのケアは取り扱い説明書に従っているが92.3%、従っていないが6.7%でした。

装用指導やケア指導など説明を受けましたか? のグラフ装用指導やケア指導など説明を受けましたか?

購入先で装用指導やケア指導を受けたが94.9%、受けていないが4.0%でした。

定期検査を受けていますか? のグラフ定期検査を受けていますか?

定期検査を受けているが36.2%、受けていないが62.4%でした。

定期検査を受けていない理由は? のグラフ定期検査を受けていない理由は?

定期検査を受けていない理由は、面倒35.0%、時間がない25.1%、調子が良い9.1%、遠い6.9%、聞いたことがない1.7%、何も言われていない1.4%、その他14.7%でした。

おわりに

今回のアンケート調査の結果から、コンタクトレンズ使用者は全生徒の27.4%で、そのうちの27.6%の生徒はメガネを所持せずにコンタクトレンズのみを使用していました。コンタクトレンズは目にとって異物であり、いつ障害が起こるか分からないため、メガネとの併用をすすめる必要があります。実際にコンタクトレンズの調子が悪かったという生徒が39.2%もいたことは大きな問題です。ソフトコンタクトレンズでは、乾く、くもる、かゆいといったアレルギーが関与するような苦情が、また、痛い、異物感、ずれるといったハードコンタクトレンズのフィッティングに関する苦情や、見えない、疲れるといったコンタクトレンズの度数に関する苦情が多く報告されました。その一方で、定期検査を受けていない生徒が多く、今後の指導が必要です。コンタクトレンズは使用する期間が長くなれば長くなるほど、眼障害が発生する可能性が高くなります。したがって中学生や高校生のように年齢的に早くから使用する人には、より適切なレンズの選択とレンズケアの指導が必要であり、さらに定期検査の必要性を教えなければなりません。そのためには、今後学校現場に対して十分な指導と啓発活動を行うことが大切です。

 



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