山口県臨床整形外科医会 YCOA

平成27年JCOA学術集会  おいでませ山口

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 会長 小野直司   
 山口県臨床整形外科医会のホームページをご覧いただきありがとうございます。
 山口県臨床整形外科医会は、山口県内において整形外科を開業、あるいは私的病院に勤務している整形外科医の団体です。昭和59年に 創立され、令和5年2月現 在名誉会員を含めて97名です。整形外科は、骨・関節・筋肉や神経などの運動器の障害を扱う診療科です。対象とするのは、脊椎、脊髄、骨盤や上肢(手)下 肢(足)まで広範囲の器官です。私たち整形外科医は、あらゆる年代における病気や外傷(ケガ) に対して早期診断、保存的および手術的治療ならびにリハビリテーション治療を提供できます。
 さて、日本臨床整形外科学会は昨年創立50周年を迎え、日本整形外科学会は2026年に創立100周年を迎えようとしています。私 たち山口県臨床整形外科医会も今年は創立40周年を迎えます。地域に根ざした整形外科診療を行ってきた私たちの現状と課題をお話いた します。
 私たち整形外科開業医の多くは無床診療所となり、自らは手術をしない整形外科の保存的治療を担って来ました。その中で運動器リハビ リテーションは大きな柱となっています。いわゆる物療機器による疼痛疾患対策だけではなく、運動器の機能回復には運動器リハビリテー ションはなくてはならないものです。そして、厚労省の施策で運動器リハビリテーションには日数制限が設けられ、維持期リハビリテー ションは介護保険へ移行するように仕向けられました。日本臨床整形外科学会では、運動器リハビリの継続のために医療のリハビリから介 護のリハビリへの道筋を示して来ました。
 また、皆さんはロコモティブシンドローム(ロコモ)という言葉をご存知でしょうか。 ロコモとは運動器の障害により、歩行・立ち座りなどの移動機能の低下をきたした状態のことをいいます。要介護状態になることを防ぎ、 健康寿命を伸ばすことは、長寿社会となった日本人全体の願いです。日本臨床整形外科学会では平成25年1月にNPO 法人全国ストップ・ザ・ロコモ協議会「Japan Stop the Locomo Council(SLOC)」を立ち上げました。ロコモの啓発及び予防・早期発見・早期治療の促進に関する事業を通じて国民の健康及び医療の増 進に寄与することを目的としています。ロコモが心配な方は、ロコモ年齢のチェックをお勧めし ます。
 最近、巷には整形外科と紛らわしい看板があふれています。「整骨院・接骨院」で柔道整復師という資格を持った人たちです。これは整 形外科と同様に運動器を扱っているかのように見えますが。医療ではなく医業類似行為(診断なき施術)です。本来は打撲と捻挫に対する 施術と、骨折と脱臼に対する応急処置のみが認められた資格です。私たち整形外科医は、国民が外傷(ケガ)と病気を区別し自らの症状に 対して適切な医療機関を受診することで、自分の健康を守る手助けをしたいと思っています。小冊子「接 骨院ってどんなところ?」をご参照下さい。
 平成27年7月には日本全国から約1000人の整形外科医が集まり、日本臨床整形外科学会学術集会を下関市において開催いたしまし た。この学会では、私たちは山口大学整形外科と協力して、山口県腰痛スタディをまとめ上げることができました。曰く、多くの腰痛疾患 は非特異的腰痛(診断がつかない腰痛)ではなく、整形外科医がきちんと診断すれば、約8割は診断がつくという画期的が結論を導くこと ができました。この研究は、腰痛疾患研究の道標となるものであったと自負しています。
 最後に、このホームページを通じて会員相互の連携を図り、多くの県民の皆様の健康に役立つことを願っています。
令和6年1月吉日