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会長挨拶

 現在、眼科医療は日々発展し、新しい治療や手術などが発達し適切な治療を受けて元通りの状態に回復する方も多い一方で、病気や進行具合により完全な回復が難しく日常生活や社会活動に支障があり困難を感じている方もおられます。

 このような視覚障害によって成長・発達あるいは日常生活・社会生活を不自由に感じている方へは支援の輪としてロービジョンケアを広めていくことが必要です。 ロービジョンケアは、医療的・教育的・職業的・社会的・福祉的・心理的な支援を包括的に表現したもので、発達・成長期である子どもに必要なハビリテーションや、大人の中途障害に対応するリハビリテーションが主な目的となります。

 視覚障害者の方がよりよく見える手助けとして、関連医療機関や団体では情報提供を行い、アドバイスや指導、訓練を実施していますが、問題となるのは情報入手、移動、コミュニケーションです。

 具体的支援としては、よりよく見るため視覚補助具・照明、視覚以外の感覚の活用として音声機器・解読機器、パソコンやスマートフォン等からの情報入手手段の確保、生活改善として点字図書や生活訓練施設、進路の決定のための特別支援学校、職業訓練施設、福祉制度の利用、また視覚障害者同士の情報交換などがあげられます。

 ロービジョンケアネットワークでは眼科医師、視能訓練士、看護師に加え、教育・福祉・補助具など多分野が協力し、福祉分野が中心となった就労支援を行って参ります。このネットワークはロービジョンケアへの「窓口」で、必要としている支援やサービスへの橋渡しを行うのが役割です。

 このたび情報提供ツールとして山口県でも「スマートサイト」が整備されましたので今後多くの方々に周知し活用されることを期待しております。

山口県眼科医会 会長 大西 徹