第21回 山口県眼科医会 目の健康講座
日本眼科医会 創立90周年記念事業 一般公開「目の健康講座」

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開催概要

視聴期間:令和3年9月26日(日)~10月10日(日)(終了しました)

講演1:「山口県眼科医会会長挨拶&日本眼科医会活動報告」

講演2:「緑内障とその治療について」
 山口大学大学院医学系研究眼科学 永井 智彦先生

講演3:「糖尿病網膜症とその治療について」
 山口大学大学院医学研究科眼科学 波多野 誠先生

講演4:見えづらい方へのアドバイス(ロービジョンケア)について」
 やまぐちロービジョン勉強会代表 山口県眼科医会公衆衛生担当理事 福村 美帆先生

講演1:「山口県眼科医会会長挨拶&日本眼科医会活動報告」


講演2:「緑内障とその治療について」

山口大学大学院医学系研究眼科学 永井 智彦先生

略歴:2007年 山口大学医学部医学科卒業
   2017年 山口大学大学院医学系研究科修了
       医学博士(山口大学)
   2017年 山口大学医学部眼科学教室 助教



 緑内障は主に視野障害をきたす進行性の視神経の病気で、我が国におけ る失明原因の第1位となっています。日本緑内障学会が行った疫学調査で は、40歳以上の日本人の20人に1人の割合で緑内障患者さんがいること が明らかとなりました。また、緑内障の有病率は、年齢とともに増加する ことが知られており、高齢化が進む我が国においては今後さらに患者数が 増加していくことが予想されます。調査では、発見された緑内障患者さん のうち、それまでに緑内障と診断されていたのは全体の1割程度で、緑内 障に気づかずに過ごしている人が大勢いることが判明しました。実際に緑 内障患者さんは、かなり病期が進行して視野や視力が悪化して初めて眼科 を受診することも多いようです。 緑内障は、喪失した視機能を治療によって取り戻すことができない病気 ですが、眼圧を下げることができれば、進行を防止したり、遅らせたりす ることができる可能性があるため、早期発見・早期治療が特に重要と言え ます。本講演が緑内障に対する理解を深める機会となれば幸いです。


講演3:「糖尿病網膜症とその治療について」

山口大学大学院医学研究科眼科学 波多野 誠先生

略歴:2011年 山口大学医学部医学科卒業
   2019年 山口大学医学部眼科学教室 助教
   2020年 山口大学大学院医学系研究科修了
        医学博士(山口大学)





 近年、糖尿病の患者さんは増加し続けており、国内での糖尿病罹患患者 は予備軍を含め2000万人を超えています。 糖尿病網膜症は糖尿病腎症・糖尿病神経障害とともに糖尿病の3大合併 症のひとつで、糖尿病網膜症の発症頻度も糖尿病患者数の増加と罹患期間 の長期化により著しく増加しています。糖尿病に対する内科的な全身管理 と眼科的な治療技術の進歩により、糖尿病網膜症による完全な失明は減少 してきていますが、糖尿病は自覚症状に乏しいため眼科受診しないケース も多く、毎年約3000人もの方が失明し、現在も我が国の中途失明の重大 要因となっています。網膜症を早期発見するためには、内科で糖尿病と診 断されたら、目に自覚症状がなくても眼科での定期的な検査が重要となり ます。 本講演では糖尿病網膜症の病態や治療方針決定のために必要な眼科検査、 糖尿病網膜症に対する治療をお話しすることで、糖尿病と眼の関係につい て理解して頂きたいと思います。

講演4:見えづらい方へのアドバイス(ロービジョンケア)について」

やまぐちロービジョン勉強会代表        
山口県眼科医会公衆衛生担当理事 福村 美帆先生

略歴:2001年 川崎医科大学医学部医学科卒業
   2001年 神戸大学医学部眼科学教室入局
   2010年 山口大学医学部眼科学教室入局
   2014年 やまぐちロービジョン勉強会代表
   2019年 福村眼科院長
   2020年 山口県眼科医会公衆衛生担当理事

 ロービジョン(=低視力)の定義は、「眼鏡やコンタクトレンズなどの矯正具を使用しても視力が十分に矯正できず、生活に不便と感じる状態」とさ れ、その視覚障害の原因となる疾患としては、緑内障、糖尿病網膜症、網膜色素変性症、加齢黄斑変性、強度近視などがあります。最新の医学でも限界 があり、治療をしても見えにくい方、全盲の方が全国に約30万人以上おられます。しかし、視覚障害者自身にも情報が十分に行き届いていないため、社 会生活が困難となっているケースも多くみられます。現在、山口県内には5千人以上の身体障害者手帳を取得した視覚障害者がおられ、県民の250人に 一人の割合となっています。山口県でも医療、福祉、教育、就労、当事者団体など各分野が連携してロービジョンケアを行うために、「山口県ロービジ ョンケアネットワーク」を昨年立ち上げて、視覚障害により生活に支障のある方に対して、それぞれの悩みに応じた適切な指導や訓練が受けられる相談 先を紹介するリーフレットを作成しました。ロービジョンケアを知ることで、福祉機器などの補助具の使用や歩行訓練を受けることにより、生活のクオ リティが格段に向上することができ、就学や進学、就労継続が可能になることもあります。 本講演では、ロービジョンケアを知っていただき、少しでも見えづらい方やそれを支える方のアドバイスになれば幸いです。

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