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平成13年度 目の健康講座の開催報告

開催日 平成13年9月22日(土)

会場 海峡メッセ下関

平成2年より日本限科医会の指導のもと目の正しい知識と理解および中途失明を予防することを目的に各県にて「目の健康講座」が行われています.山口県においても昨年の山口市につづき今年は平成13年9月22日、下関市の海峡メッセ下関において開催されました。秋晴れのなか約150名にも及ぶ多数の参加者を迎え盛会のうちに会を終えることが出来ました。


熊谷先生の写真

特別講演「アレルギー性結膜疾患」


講師 熊谷 直樹助教授(山口大学医学部眼科)

アレルギー性結膜疾患は花粉やダニなどの本来無害な異物に過敏に反応することにより結膜(赤目・白目)や角膜(黒目)に炎症が起きる疾患です。アレルギー性結膜疾患は軽症型のアレルギー性結膜炎と重症型の春季カタルに分けられます。アレルギー性結膜疾患ではかゆみ、充血、涙目などを自覚します。特にかゆみは特徴的な症状で、かゆみを伴わないアレルギー性結膜疾患の患者は殆どいません。  重症型である春季カタルでは結膜に大きな石垣状の隆起ができたり角膜に傷や濁りができ、そのためにこれらの症状に加えて眼の痛みや視力低下などの症状を訴える方も多くおられます。アレルギー性結膜疾患の治療は1)原因となる物質をさけること 2)点眼液によってアレルギー反応をおさえること。点眼液による治療としては、抗アレルギー剤点眼液による治療が一般に行われますが、重症の方ではステロイド剤の治療も必要になります。


植田先生の写真「コンタクトレンズを効果的に安全に快適に使用するために」


講師 植田 喜一先生(下関市)

現在、国内でのコンタクトレンス(CL)使用者は約1,200万人で総人口の役1割といわれています。材質の開発や技術の向上でレンズの種類も豊富になり、今後ますますCL使用者は増加すると思われます。CLが医療用具医師による処方・指導・管理が必要だという認識は浅く、単なる生活用品と捉えている人が多いようです。  CLはどんなに優れたものであっても目にとっては異物です。CLによる障害を起こさないため、CLを効果的・安全・快適に使用するために重要なポイントについてお話したいと思います。


高比良先生の写真「進歩した現在の白内障手術」

講師 高比良 健市先生(下関市)

白内障手術はこの10年で大きく進歩しました。そのポイントは、 1) 機械(超音波乳化吸引機)の改良により安全に水晶体が除去できるようになった。 2) 切開創が短くなったこと(3mm程度でよくなった)で術後の安静が必要なくなり、日帰り手術が可能になった。 3) 人工レンズの固定法がよくなったため、長期的に安定するようになった。などが挙げられます。  今回の講演ではこれらのポイントをビデオを使用し、わかりやすくご説明いたします。


浅野先生の写真「糖尿病網膜症について」


講師 浅野 史也先生(下関市)

成人後の失明(中途失明)ほど辛く苦しいものはないのではないでしょうか。 その中途失明の原因として糖尿病網膜症は最も代表的な疾患です。しかしながら、糖尿病網膜症は早期発見と十分な管理・治療を行えば、ほとんどの方が失明に陥らず、一生涯物を見る楽しみを味わうことができます。我々眼科専門医は、ひとりでも多くの方を失明から救うために、日々診療治療を行い、且つ啓発活動を行っています。  今回のセミナーでは、糖尿病網膜症の恐ろしさを理解していただき、早期の的確な治療の重要性について皆様に理解していただくようにするつもりでおります。


網野先生の写真「緑内障は早期発見が大切です」


講師 網野 憲太郎先生(下関市)

緑内障とは、一般的には眼庄が高くなることにより、視神経が萎縮していく 病気のことをいいます。この中には急性におきるものや、慢性に経過するもの、また眼圧が高くなくても障害が進行するものなどさまざまな種類のものがありますので、これらについて簡単に説明いたします。  緑内障は治療によって視力や視野を改善させることは難しく、進行を遅らせることが精一杯ですので、早期に発見し早期に治療を開始することが重要です。


目の健康相談

希望された方に個別相談しました


視覚福祉機器展示

健康相談の隣のブースにて、視覚障害者の方のための拡大鏡や眼鏡および字が読みづらい方のための拡大用TVなど各種の福祉機器の展示が行われました。


目の健康講座アンケート結果

以上の相談および講演終了後、聴講された方にアンケートをお願いし、300人を超える多数の方々に、協力していただきました。その、結果を下記に掲載させていただきます。


記入者のグラフ記入者:79人
年齢構成のグラフ年齢構成

○参加された方の住所
下関市 70人
豊浦町 6人
山口市 1人
北九州市 1人
その他 1人


○参加された動機は何ですか? (重複選択)
目の老化を感じはじめたから 28人
目が疲れやすくなったから 26人
近くの字が見えにくくなったから 16人
自分、家族に白内障で悩んでいる人がいるから 13人
自分、家族に緑内障で悩んでいる人がいるから 14人
自分、家族に糖尿病の人がいるから 3人
自分、家族にアレルギー性結膜炎の人がいるから 6人
子供の目のことが心配なので 4人
その他 26人
記入なし 3人


○本日の講座はいかがでしたか?
期待していたとおりの内容だった 58人
期待していたものではなかった 2人
記入なし 3人


○本日の講座で特に印象に残った点の感想をご記入下さい
白内障の手術についてよく分かった
アレルギーの発生機序が分かった
コンタクトレンズ使用時の注意が大切なことがよく分かった
糖尿病の早期発見早期治療の大切さが分かった
緑内障の早期発見早期治療の大切さが分かった
きれいなスライドでの話が良かった
目の定期検査の重要性がよく分かった
目の健康の大切さを痛感しました
もう少しスライドの字を大きくして欲しい


○今後の講座のテーマとして、ご希望がありましたらご記入下さい。
屈折について(近視、遠視、乱視)
目の健康の事ならなんでもして欲しい
目の症状とその疾患と機序
目の健康相談の増加と、講演の先生とのQ&Aの時間を設けて欲しい
日常生活において目の病気にならないための注意についての講演
遺伝性の目の病気について
今回以外の目の病気についての講演


この「目の健康講座」は、定期的に開催されることになっています。次回は、平成14年10月10日岩国市で開催される予定です。多数のご参加をお待ちしております。

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