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平成28年度 目の健康講座の開催報告
日時:平成28年10月2日
会場:岩国市医療センター医師会病院
事業内容:目の健康講座 講演・視覚福祉機器展示・健康相談
一部 講演1「緑内障とその治療について」
講師 山口県立総合医療センター 眼科 平野晋司 先生
講演2「糖尿病網膜症とその治療について」
講師 長門総合病院 眼科 新井 栄華先生
二部 目の健康相談
平成28年10月2日に目の健康講座in岩国が岩国市医療センター医師会病院で開催されました。当日は朝から曇りで雨が心配されましたが、開場が近づくにつれて日が照り始め、最高気温30℃湿度95%と季節はずれの蒸し暑さとなりました。秋の行楽、運動会シーズンではありましたが、13時頃からちらほらと来場者が見え始め、多くの方が来場してくださいました。第一部の開催に先立ち、地区理事の佐藤先生から視覚福祉機器コーナーの紹介があり、単眼鏡や拡大読書器などの展示コーナーには多くの方が集まり、盛況となりました。
小林元巳会長の開会挨拶では、目に関する正しい知識の普及・啓発という会の目的と、失明原因の1位と2位である本日の講演内容が、普段診察を受ける上で患者様の助けになるという主旨のお話しがありました。丸久一恵先生の司会進行のもと、平野晋司先生の「緑内障とその治療について」の講演が始まりました。冒頭に緑内障が視覚障害の原因疾患第1位であることや、緑内障の疫学について多治見スタディのデータ紹介、病態の説明として白内障と緑内障を比較しながら分かりやすくお話されました。動的・静的視野検査の解説や視野異常の進行パターン、治療方法として点眼薬による薬物療法から外科手術、インプラント術など専門的な内容に進んでいきましたが、分かりやすい言葉とイラスト、やさしい語り口調でお話いただいたので、聞いている方も理解が進んだと思います。最後に点眼治療継続の重要性を強調され、油断は禁物だが、主治医としっかり相談しながら、毎日忘れずに点眼すれば緑内障=失明ではないとお話いただけたので、聞いている緑内障患者の方も心強かったと思います。
続いて新井栄華先生の「糖尿病網膜症とその治療について」の講演が行われました。糖尿病網膜症の病態やリスクファクター、診断として眼底検査、蛍光眼底造影の写真を紹介しながら、疾患への理解が深まる内容で解説が進みました。治療のパートではNDR、SDR、PPDR、PDRという病期ごとに通常の眼底写真と比較しながら解説され、病期のステージに合わせた内科、眼科での治療をそれぞれ紹介されることで、聞いている方も大変分かりやすかったと思います。その他の糖尿病の合併症として、糖尿病白内障、糖尿病角膜症についても解説され、糖尿病に関連する眼疾患を幅広くカバーした内容となっていました。まとめとして、内科での血糖コントロールは基本だが、眼科での定期的な検査を絶対にセットで行うことが重要で、早期に異変を察知することが余裕を持った対応に繋がることを強調されていたので、糖尿病患者が眼科を訪れるモチベーションになる講演だったと感じました。
休憩の間に集められた質問用紙をもとに、川田先生の司会進行で第2部が始まりました。沢山の質問がよせられ、「ジェネリック医薬品」「抗VEGF薬療法」「緑内障薬と血圧の薬、睡眠薬との併用」「ブルーベリーなどの食品の有用性」など多岐にわたる内容でした。また、患者様個人の治療方法についての質問もあり、平野先生、新井先生に丁寧にお答えいただきました。
最後に後長先生から、二つの講演を通じて、主治医とのコミュニケーションの重要性や、一度検査を受けたことに安心せず、定期的な検査が大事であると総括があり、無事閉会となりました。
素晴らしい講演をしてくださった平野先生、新井先生に感謝しますと共に、当日の運営に携わった地区の先生方ならびに製薬メーカーの皆様、メガネのタナカ様の視覚福祉機器展示のご協力に心より御礼申しあげます。
当日来場者62名にアンケートを配布しました。52枚回収(回収率83.9%)。
集計結果は下記のとおりです。
①性別、年齢層
男性18名、女性34名
30~40歳未満 1名
50~60歳未満 3名
60~70歳未満 12名
70歳以上 32名
②この講座をどこでお知りになりましたか?
県市町村の広報誌など 36名
新聞・放送 3名
保健所、保健センターのポスター、ちらし 2名
病院、医院のポスター、ちらし 15名
インターネットを見て 2名
その他 2名
③参加された動機は何ですか?
「緑内障」について知りたいから 44名
「糖尿病網膜症」について知りたいから 22名
その他 2名
④本日の講座は分かりやすかったですか?
分かりやすかった 33名
何となく分かった 18名
分かりにくかった 1名
会長挨拶
会場風景
目の健康相談会
集合写真